2011年8月9日火曜日

オルガン研究 XXXVII (2009年)

日本オルガン研究会が会員向けに年1回発刊する機関誌「オルガン研究」のXXXVII(2009年)には、大岩みどり氏による興味深い論文が掲載されている。

ジローラモ・フレスコバルディの'la manieria di sonare'
≪トッカータ集題1巻≫(1615)の序文「読者へ」をめぐって

ここではフレスコバルディの諸経歴から、≪第1巻≫についての背景、≪第1巻≫と≪ファンタジア集≫における「作品」意識の違い、「読者へ」に見るフレスコバルディの演奏法などが論じられている。
また、初版(1615)と第5版(1637)の序文については、イタリア語の原文とその邦訳、さらには楽譜による具体的な例とその解説が記載されており、フレスコバルディやそれ以後に書かれたトッカータをはじめとする17世紀イタリア音楽の演奏法について極めて重要な資料であることは間違いない。
そのような音楽作品の演奏に携わるのであれば必読すべき文献である。

なお、機関誌「オルガン研究」は日本オルガン研究会の会員以外でも実費にて購入が可能であったと記憶している。

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